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デトックスのための文章

韓国バラエティ『花よりおじいさん』

韓国バラエティの『花よりおじいさん』を観て癒されています。もともと韓国ドラマにすらあまり興味がなかったので、こんなにハマると思っていなかったんです。人生とは何が起きるか分かりませんね。ありがとう、プロデューサー。

 

video.unext.jp

 

韓国で大御所と言われるおじいさん俳優4名を、韓国では主役級の俳優イ・ソジンさんがお世話しながら海外旅行をするという番組。この番組のプロデューサーをしているナ・ヨンソクさん(以下・ナP)という方は韓国では”ヒット製造機”と言われているそうで、

 

もうこれが超・超、超面白いです。

 

韓国のバラエティって、「本当にそんなことまでやるの!?」っていう無茶を普通に実現してくれるんですよね。

 

この『花よりおじいさん』では、出演するイ・ソジンさんは「アイドルと旅行する番組だよ」とスタッフから聞かされていて、空港に着いてからまさかのおじいさん俳優達のお世話をさせられる旅だと知る、というドッキリが仕掛けられています。

 

お笑い芸人ならまだしも、主役級の俳優を空港でドッキリで騙してそのまま10泊の海外旅行に付き添わせるなんて、日本ではありえない設定だと思いませんか?

 

元々は『ユン食堂』という、大御所女優やイ・ソジンさんが海外で食堂を開くというバラエティを観始めたのですが、それがバラエティにハマったきっかけです。(冬ソナをきっかけにあらゆるドラマに手を出し始めるのとまったく同じ流れw)

 

面白いのは、この番組に出演するのは全員、韓国では名の知れた俳優陣で、「旅番組は毎回リッツクラスに泊まります」と言ってもおかしくないほどの顔ぶれなのに、なんと番組自体が超低予算(宿泊・食事代など含め、1人につき1日1万円以下の予算しかないw)で、バックパック的に海外を回らされるという無茶ぶり。

 

イ・ソジンさんはナPと年齢も近く、多分普段から仲良しなんですね。おじいさん達は基本的にお金のことに無頓着なので、ソジンさんがおじいさん達の分までお財布管理するしかなく、

 

必死で毎日やりくりをして宿を予約したり食事を準備しているにも関わらず、ナP達スタッフは容赦なく、演者達が使ったお金で立て替えた分があるとイ・ソジンさんから1円(ウォン)単位で奪い取っていきます。

 

時にはスタッフの飲食代をソジンさんが立て替えてあげることもあるけど、そういう時は逆にスタッフ側がしれっとお金を返していなかったりして、おじいさん達が観光をゆったり楽しむ傍ら、ソジンさんとナPの熾烈な金の奪い合いが地味に度々勃発します。

 

韓国人って多分、執念深いんですね。そこが面白いんです。ズルしてお金を奪われたり馬鹿にされたことは、絶対に復讐するまで忘れないという執念深さ。思えば韓国ドラマのストーリーも、そういうものが多いですよね。

 

この番組は、

 

シーズン1:フランス・スイス・台湾編

シーズン2:スペイン・ポルトガル

シーズン3:ギリシャ

 

とあります。おじいさんの旅番組って、日本でも何気に人気ありますよね。徳光さんのバス旅や、吉田類さんの酒場放浪記など。この番組はどちらかというと徳光さんのバス旅に近く、

 

徳光さんが4~5人になった感じですね。おじいさんによって性格も異なり、シーズン1では「もう歩けない」とキレまくっていた割と自己中なおじいさんが、シーズン3では温厚に成長していたり。

 

逆にシーズン1ではまだ元気ハツラツだった博識なおじいさんが、シーズンを重ねるごとに少しずつ老いていったりして、それでも相手を思いやり助け合いながら(時に車中で爆睡しながら)旅を続ける姿には、不思議と涙が出てきます。

 

「自分たちがもっと若い頃に旅をしていたら、色んなことが変わっていただろう」「若い頃はどんどん失敗しなさい」というようなインタビューも時々組まれているのですが、平均年齢70歳を超えるおじいさん達の言葉にはやっぱり重みがあるし、おじいさん達に比べたら自分たちの世代などまだ若くて色んな場所に行ける。そんなことを思うのです。

 

おじいさん達がちょいちょいお菓子を食べていたり、耳が聞こえていなかったり、写真撮ってご機嫌だったりするのが(大御所にも関わらず)本当にカワイイんです。

 

そして、ソジンさんの礼儀正しさにも見習うものがたくさんあります。誰だって大御所と旅行なんて面倒だし、進んでやりたいわけじゃない。ましてや彼は空港でドッキリを仕掛けられた挙句におじいさん達のお世話旅行をすることになるわけで、

 

ブチ切れても致し方ない状況なのに、そこからの自制心が素晴らしいんですよ。おじいさん達の前ではいつも笑みを絶やさないのが素敵。英語が堪能だし国際免許も持っていて基本的にデキる人なんだけど、何か肝心な所でミスしたりして、毎回惜しいところも愛らしいんですね。お世話に伴うストレスも甚大なので、陰でスタッフたちに夜な夜な小言を披露する所も愛されキャラなんだなと感じます。

 

ソジンさんとナPの小競り合いなんて、おじいさん達からしたら子供のじゃれあい程度にしか映っていないんですね。ベテラン勢は特に気にすることもなく、ソジンさんやスタッフから与えられるがまま、されるがままに転がされ、観光させられていきます。

 

クソ狭い宿で雑魚寝とか、ザワークラフトみたいなのが入ったすえた匂いのチゲで宴会とか、無茶なことにも温かく対応してくれるおじいさん達には本当に癒されます。(たまに小さなことで仲違いしている姿も癒しでしかありません。)

 

おじいさんがポロっとこぼす本音って、何であんなに面白いんだろう。どこか純粋というか、素直で、思った通りのことをシンプルに言うから面白いのかな。

 

韓国では、2018年に『花よりおじいさん リターンズ』というのも放映されました。日本でもMnetに入れば観られます(2020年5月現在)。こういう時だからこそ、海外の風景や生活が観られる番組には癒されます。