仕事と心のDiary

デトックスのための文章

サイボウズ・青野社長の在宅勤務のお話を聞いて

サイボウズ・青野社長がTVで、在宅勤務成功の秘訣について話されていた。

 

www.businessinsider.jp

 

在宅勤務に必要なことは3つあって、1つは忘れてしまったけど、とにかく「ツール」と「風土」が大切なのだという。確かにそうだなと思った。

 

そもそも在宅勤務ができるようなツールを備えていなかった企業は、今回のコロナに際して本当に大変だったんじゃないかと思う。

 

業務効率化をしたいと言っても、それは社員個人の努力だけではどうにもならないものだ。たとえば営業管理ツール一つ導入するにも、まず経営陣の認可があり、何百・何千万という資金を投入する。期間も1年~長ければ3年以上、ツールを検証する何人ものスタッフだって必要になる。

 

将来を見据えて早くからツールを導入していた企業と、変化を嫌厭してきた企業とでは、コロナの打撃度もまったく違う。多くの社員を抱える企業では特に、即席で「ツール入れたからもうこれでOK」では終わらない。変化には、多くの時間と費用、苦労が伴う。

 

「苦労」というのは、私の固定観念かもしれないけど。

 

社内ツールは導入した後、それを社員に認知され、実際に使用されなければまったく意味がない。実際、小さな会社ではたとえばツールで日誌を入れたりするのが面倒になり、結局メールでパパっと上司に報告して終わり。ツールが活用されず、高額なおもちゃで終わることもザラだと思う。

 

そして、風土の点では、社長やリーダーが会社をどの方向に向けていきたいか、きちんと社員に浸透しているかも重要だと思う。

 

それにプラスで今の時代は、青野さんの言うように社員一人ひとりが自律して自分の働き方をどうしていきたいか考えることがすごく必要なのだと、あらためて思う。

 

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コロナは確かに憎いし、憎くて、憎いんだけど、多くの人が言うようにそこに気付きがある。否応なしに変化しなければいけない土壌が生成された。

 

青野さんは、このコロナ騒動の後でまた元の働き方に戻ってしまう企業と、これを機に多様な働き方を目指していく企業に分かれていくと言っていたけど、きっと前者は、若い世代の視界からはどんどん外れていく気がする。

 

多分、大手で老舗の企業などは小回りがあまり効かないのも実情だと思うので、コロナ後に元の古い体質に戻ってしまう所も多いんじゃないのかなと感じるけど、YouTube配信などで新しい稼ぎ方→年収1千万達成などとわいわいやっている若い優秀な世代は、実際にはそうした古い企業で自分の人生の時間を使っていくことなど多分想像できないのではないかと思う。

 

この変化には、今更だけど驚いてしまう。ほんの10年前まで、四年制大学卒業後は大企業に入ることが良しとされていたけれど、今は企業のネームバリューよりも中身で判断する人が増えてきている。働く人の人生が、組織よりも重視されるようになってきた。

 

それにしても、サイボウズってすごい。「サイボウズは石垣のような会社だし、それで良い」と青野さんが言っていたけど、確かに石垣みたいに色んな働き方の人が同じ場所で共存できるって、すごくワクワクする。

 

最初はサイボウズも、とにかく離職率を抑えるために多様な働き方を認めざるを得なかったそうだけど、それが長期的な視点で見ると実際には時代を見据えることになっていたというか、個人の時代に適応し始めていた。すごく結果オーライだなと感じます。

 

個人が自分の人生の時間(=そこに存在する、仕事以外の大切なもの)をきっと意識し始めているんですね。

 

コロナは確かに悲しく、あってはならないことだったけど、同時に「本当に大事なこと」を見つめ直した人も多い。きれいごとではなく、命を守るにはどうしたらよいか、または自分や家族に残された人生の時間のことも考えたんじゃないだろうか。

 

絶えず変化していく人々の、進化の逞しさのようなものを感じます。