仕事と心のDiary

デトックスのための文章

誰かに会えないよりも

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一人になりたい。

 

昨日から、そんなことを考えていた。ずっと頭が痛いからかもしれないし、少し落ち込むことがあったからかもしれない。一人でどこかに行ってしまいたいと思った。お好きにどうぞという感じなのだけど。

 

以前は、息が詰まるとよく一人で海外に行っていた。周りがどうというより、自分が周りを気にして過ごしているがゆえの窮屈さが日常にあったから、誰も知り合いがいない、言葉もあまり分からないような所に行きたいとよく思っていた。そういう場所に行ったら自分も少しは寂しさを感じるのか、知りたいという気持ちもあった。

 

海外へ行く前は当然ながらいつも不安で、長期の日程の時はそれこそ口から胃が出そうなほど緊張した。なぜ行くことにしたんだろう、本当に馬鹿だと後悔もした。けれど現地に着いてしまうと、そんなことも忘れてしまった。片言でも過ごせるもので、違う国の人の生活風景を見るのは楽しかった。現地の人達が談笑しながら横を通り過ぎたり、家族連れがスーパーで買い物をしていても、誰かに会いたい、日本に帰りたいとは不思議と思わなかった。悲しいことに、元々どこかに馴染んでいる感覚も薄かったせいか、そんな環境にいる方が自分にとって自然な気もした。

 

大人だから普段は表面上何も違和感のないふりをして、でもふとした瞬間に自分だけが溶けていない氷みたいに感じるあの感覚が、誰かに会えないよりも大きな寂しさとなって日常に滞留する。知らない場所で本当のひとりになった時は、「それでいいよ」と誰かに言われている気がした。「元の状態に戻っただけだ」と。