”仕事はほっとできるひととき”―。この感覚は自分にはないものでしたが、世の中には働くことをそんな風に捉えている人もいるんだなと感じて、月並みですがカルチャーショックを受けたような気持ちになりました。
長く、静かに、情熱を踊りにささげて。仕事はほっとする時間 - らしさオンライン | リクルートスタッフィングが運営するオンラインマガジン
フラメンコを生きがいとされている方のインタビューで、俗に言う「ライフワーク」と「ライスワーク」について考えさせられる記事でした。
以前は、週末も仕事を引きずって息抜きにまで気を回せなくなることが多かったのですが、この記事に出てくる方はその反対の生き方をされている。軸足が違うのです。仕事の方がむしろ癒しになっているという状態。
現地の方は小さなころから踊っているのもあり、スピードや迫力、何もかもが体に染みついています。私はどうしても『日本人が踊るフラメンコ』になってしまいますが、『日本人だからこそ踊れるフラメンコ』を目指したい
体力的にも精神的にも張り詰めているフラメンコに対して、仕事はほっとできるひととき。仕事があるから経済的に余裕ができるという意味でも、私に安心をくれています
この方にとっては、踊りという人生を掛けて取り組んでいきたいことありきの仕事であり、生活なのだなと感じました。
悩んだ時、初心に戻る感覚でよく手にする本があります。平原綾香さん『Jupiter』の作詞を担当された、吉元由美さんという方の『自分という物語を生きる 心が輝く”大人のシナリオ”』(水王舎)という本です。
人が本来持つ特質を発揮することを「魂のシナリオ」と呼び、それが必ず誰にでもあると信じてみよう。与えられたものを磨き、実践して役立てていく。自分が幸せだと思うことを、忘れないでやっていく。世の中はそうした個々の才能の分かち合いで成り立っているんだよと、教えてくれる本です。
仕事でもボランティアでも趣味でも、何でもいいのです。そこに生きている喜びがある。役に立っている喜びがある。創造の喜びがあるのです。
読みたい本を読めるだけ読みたい。
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仕事、アルバイトをする。
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書籍代の予算を確保する。
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本を読む時間を確保する。
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思う存分、読む。
シンプルすぎます。でも、こういうことなのです。
最初の記事の女性は、自然とこうしたことを実践されているのだと思いました。
何かをすることが人の役に立っているのかというのは、様々な見方があるとも感じます。この女性の場合は、踊りを見た人からダイレクトにその感動が言葉として届くかもしれないし、回りまわってその生き方がこういった形で記事になり、それを読んだ顔も知らない誰かが「いいな、素敵だな」と思っているかもしれない。
自分がやり続けている何かがあるとして、それがどこでどのように他人に影響を与えるかというのは、意外と分からないものなんだなと思うのです。
先日初めて知ったのですが、ディズニーランドにはタートル(※「クラッシュ」という名前らしい)のキャラクターに人生相談できるアトラクションがあるようで、そこで「なおこ」さんという女性が、「働きたくないんです」と相談している動画がありました。
少し昔の自分ごとのように聞いていたら、クラッシュの回答がシンプルなのに、なんか良くて。やっていることが何であろうと、それがどこかで誰かの笑顔に繋がっているとしたら、それで十分、自分という存在を活かしていることになるのだと思いました。
🔵【クラッシュの解答に感動して涙】働きたくないんですけどどうしたらいいですか【タートルトーク】東京ディズニーシー
6:01
クラッシュ)え、それはさぁ、最終的には誰かを笑顔にしたりとかしてんのかい?
なおこ)してるはず、です…。
ク)ほおーーっ じゃあなおこ、別に嫌なことじゃないんじゃないかい?
そんな風に言ってくれるクラッシュも表向きタートルだけど立派に人なわけで、ディズニーの看板を背負うプレッシャーも絶対にあると思うし、役目をどう感じているかまでは分からない。でもそれがなおこさんを笑顔にし、そこにいる人達に気づきを与えて、果てはその動画を観た私のような人間のブログにまで、いつの間にか書かれていたりする。
コメントの中には、「とりあえず、自分もなおこの仕事にどこかで笑顔をもらった可能性があるので、お礼言わせてください」という言葉もあって、こういうのはいいなと感じるのです。どこで繋がっているかは、自分では分からない。それに気づけていたらと、自分の過去をあらためて振り返ります。想像することで、色々なことが変わる可能性を感じます。