仕事と心のDiary

夜になったら色んなものを脱ぎ捨てよう。

音楽は山登りに似ている。

今日は書くことが思い浮かばない。絞り出して書けることといったら、配信で観ていた『SUITS』で「いい加減、感情ではなく事実と論理性に目を向けろ。それが真の弁護士というものだ」とマイクを突き放すハーヴィーがなんて素敵なの、と思ったこととか、ベッドカバーをブルーからパープルに変えて部屋が明るくなったこととか、自分にやる気を出させるにはどうしたらいいんだろうと悩んだこととか、それぐらい。

 

あとはショパンベートーヴェン中心のピアノ生活を過ごしてきたと思っていたけど意外とブラームスの割合も多いことに気付いたとか、ドビュッシーの『雨の庭』なんて一生かかっても弾ける気がしない、と思ったこととか。

 


ドビュッシー:「版画」より 第3曲「雨の庭」

 

ごてごての和音ミックスとか、楽譜が見た感じ「黒い」方が意外と音を出しやすかったりする。シンプルな楽譜こそ難しい。これやりながら跳ねるんかい、という所にスタッカートがさりげなく印字されていたり、ここをずっと押さえながらこの指の移動は無理ゲー。と絶望した所で、更にここを滑らかに弾けと?と、虹のように弧を描いたスラーがいくつかの音符を繋いでいる。

 

ベートーヴェンの『テンペスト』第3楽章も、楽譜は割と白い。ペダルを踏んでしまえば「それっぽく」響かせることができるし、音を拾うだけなら弾きやすい。でも、ベートーヴェンは「ペダル踏んでいいよ」と言っていない。更に、細かく音符を見ていくとまさに上のような突っ込みが多数出て発狂したくなる。シンプルだからすぐ弾けると思っていると、足元をすくわれる。(と私は思う)

 


『ベートーベン:テンペスト』(Beethoven, Tempest Sonata No.17, Op.31-2.3)(ピアノ楽譜)

 

作曲家の世界を覗くのは難しい。その響きに何を込めたのか、どんな景色を見ていたのかが知りたいと思う。楽器を弾くことは、山登りに似ている。音楽は感情も大切だが、まず楽譜という真実があり、それを一歩一歩忠実に辿ることで初めて作曲家の心に近づける。弁護士にとっての法律が、音楽をやる人にとっての楽譜。使いこなせて初めて、自分なりのアレンジや表現ができる。

 

…と、書いていたら色々と思い出した。つまりどんなことも、基本は大事だな、と思う。