最近自分の中で第二次・韓流ブームを迎えましたが、世間での韓流ブームはおよそ15年前でした。当時は『冬ソナ』をはじめ数多くの韓国ドラマが日本へ流入し、割とマイナーなドラマまでが巷で話題になるほどに発展しました。
当時からソン・ヘギョは人気のある女優さんで、『オールイン』では一人の男性を一途に愛する物静かな女性を、『フルハウス』では天真爛漫で真っすぐな女性を演じました。
色っぽい物静かな女性の役も似合い、かと思えば活発で可愛らしい女性の役も似合ってしまう。日本で言う『白夜行』と干物女の綾瀬はるかのような、変幻自在な女優という印象があります。何となく、しっとりした少し陰のある役の方が本領発揮している感じがする。そして何より、抜けるように肌が白い。
当時から15年ほど経った今もソン・ヘギョは変わらず美しく、その年月のうちに数々の浮名を流し、2016年に韓国で放映されたドラマ『太陽の末裔』で共演したソン・ジュンギと2017年にゴールイン。そして2年で離婚を迎えました。
結婚前も、イ・ビョンホン、Rain、ヒョンビンなど日本でも有名な顔ぶれと次々に恋愛関係になったため”共演者キラー”と呼ばれていた彼女。
2011年に公開した韓国映画『今日』に彼女が主演した際のインタビュー記事が公開されていました。それを読むと、彼女の魅力がどことなく分かる気がします。なるほど、確かにこういう人のことを”魔性”と呼ぶのだろうという気がするのです。
【※以下、枠内はすべて上記記事より引用】
もちろん親しい人たちといる時は、明るく良くしゃべりますが、実際の私はそうでもないんです。好き、嫌いも、昔は全く表現できなかったし、今もよくできません。
気が強い女性が多いイメージの韓国では珍しい感じがするし、「自分でもどうしていいか分からない」という曖昧で奥手らしい態度が、周りの男性達に「彼女はどう感じているのか」「どうやったら喜んでもらえるのか」と感じさせ、惑わせているのではないかという気がします。
そして、仕事や人とのご縁についても彼女は達観しています。離れるものは離れていく。流れに身を任せる。そうした知性と冷静さを感じます。彼女自身は求めずとも、周りが与えたくなるのだろうという気がするのです。
ソン・ヘギョ:欲が無いと言ったら嘘ですが、私は自分が持っていないものに対して欲しがる、そういった人ではありません。
私のものだとしたら、いつでも自然に自分に近づいてくるものでしょうし、私のものでないとしたら、自分から離れていくと思うんです。それが作品であっても他のものでも、同じだと思います。
小悪魔は計算で、魔性は天然とはよく言われますが、自分が欲しいものは計算ずくで手に入れるという意志が絡むのはやっぱり違うのだと思わされます。私欲のために縁を無理に繋ごうとすれば退き際にも欲が絡むのだろうし、他人への期待や欲を捨て、抑え、また持たないように自然に身を任せるという類のことは、人間にとって本来難しいことなのです。
いつも誰かがさらに良いものを求めるため離れていきます。もちろん本当に親しかった人が離れていく時は、その瞬間はとても寂しく傷つき、空しい気分にはなりますが、でもこの人との縁はそこまでだったんだと思うんです。
こう考えるまでには恐らく様々なことがあったのだと思わされます。他人に対して欲を持たない代わりに、自分が演じる役や俳優の活動の場所が広がることに対しては、勝負欲や理想を確かに持っている方だということも分かります。