音楽と共に、人の人生を垣間見れる番組があります。
NHKでよくやっている『駅ピアノ・空港ピアノ・街角ピアノ」という番組です。BS1だと深夜によくやっています。
様々な国の駅や空港などにピアノとカメラを設置して、通りすがりの人が演奏するのを放映している番組ですが、ただ演奏風景を映すだけではなく、弾いた人のバックグラウンドも紹介されます。
たとえば、なぜその土地に立ち寄ったのか。どういった職業についているのか。今どんな気持ちでいるのかなども、合わせて紹介されるのです。
「駅ピアノ」「空港ピアノ」「街角ピアノ」とそれぞれで番組が分かれており、たまにすべて合わせたバージョンがスペシャルとして放映されているようです。
この番組を観ていて感じるのは、楽譜がすでに存在する既存の曲を弾く人もいますが、自作の曲を弾く人の割合が結構多いということ。
スコットランド・グラスゴーを収録した回は特に素晴らしい演奏が多かったのですが、そこで弾き語りをした20歳ぐらいの女の子がいました。
※ちなみにこの写真↑は、中央の男性がせっかく素敵な曲を弾いていたのに突如仲間が乱入してきたため、テンションが上がり賑やかな曲に替わってしまった、という残念なシーンです。
その子が弾いていたのは、夜に聴きたくなるような静かな曲。失恋の経験をもとに作ったそうで、世の中の悩んでいる人に”孤独じゃないよ”と伝えたいからこれからも歌いたいんだ、と話していました。
他にも、空港ピアノの回では、遠距離恋愛の恋人の元から自分の国へ帰る途中の男性がすごく素敵な悲しい曲を弾いていて、誰の曲なんだろう?と気になっていたら即興だった、ということもありました。
人の経験から生まれるものにはやっぱり心を動かされるなと、毎回感じさせられます。誰もが何かしらの創作者なのだと思います。
また、「通勤前にいつもここのピアノを弾く。落ち着いて仕事に取り掛かれる気がするから」とか、「普段はスーパーの店員をしている。今日は仕事が早く終わったから弾きに来た」などの話も多く、
海外では人々の生活に音楽や創作が深く根づいているということも実感します。
ピアノを弾くことに限らず、歌うことでも、文章を書くことでも料理をすることでも何でもいい。感情を出す場所が自分自身の中にあるってすごくいいことだし必要で、人生を豊かにしてくれるものだとも感じます。
短い回だと15分程度で終わるものもあるので、おやすみ前に観るのもおすすめです。