幸せじゃない。こんな風に考えるのは、自分にとって大切にしたいはずだったことがまた記憶の外に行ってしまったからだ。またそれに没頭することができなかった。他のことに気持ちを使ってしまった。
きっと、一つのことしかできない。何でもできると思っていた頃はただ何も知らなかっただけ、何も見ようとしなかっただけだ。でもおそらく、能力を持ち合わせていない。何かをしないのとできないのとでは差がある、と慰めで思ってみる。ただいつもそこに、精一杯の自分が存在するだけだ。
ご飯があって、家があって。それは分かる。ありがたいことに変わりはない。でも今、そうした条件を同じ土俵に出しても仕方がない。
自分が存在したい場所。そこに近づくまで、あるいは細々と続けていくために両立をする必要がある。それがいつもうまくできない。切り替えるということが、とてもへたくそだ。大切な方を切り落としてしまう。
それが分かっているなら、行動するしかない。でも、今までずっとそうしてきて、疲れてしまった。また行動するのか、と。人生に時々、うんざりする。運も縁もあり、何年経っても、慣れることのないものが存在するからだ。
でも、大切なものを逃してしまった後にいつも思う。もうやめなきゃいけないのに、と。