仕事と心のDiary

デトックスのための文章

正直な身体

日記。朝は、歩きに外へ出た。昨日ほどは晴れていなかったものの、陽には当たれた。自分の短いお散歩歴史の中で勝手に『黄金の道』と名付けている暖かい通りがあり、50メートルぐらいしかないのだが、そこを朝日に向かって歩く時間が最高に気持ちいい。

 

いつも通り貯水池の前を通り、カルガモ達を覗く。うずくまって置き物みたいに動かないカモや、こちらを追いかけてくる小さいカモ。たまにパンをあげている人がいて、自分も以前あげたことがある(「可愛すぎる!」と騒ぎながら母と写真撮影していた所、散歩していたおじいさんが「あげなよ」と言って食パンを分けてくれたので、ありがたく撒いた)のだけど、あまり沢山あげると生態系を崩す気がするし、異様に肥ったマガモがいて心配になり、以来自粛することにしている。 

 

池にはお腹だけがターコイズブルーの鳥もいて、こんなに綺麗な色を与えられているのに、自分の全身を眺められないのは残念なことだなと感じた。白鷺やペリカンのような鳥もいて、風に吹かれる佇まいが只者ではない感。耳を澄ますと、鳥の鳴き声が沢山聞こえてくる。外に出るまではその後に始まる仕事のことで気が重いけど、鳥の声を聞くと少しだけ体が軽くなる。どうしようもない時は、自然の力に助けてもらう。これは二年前まで自分の中に全くない方法だった。

 

そして今日は別の場面でも、心が軽くなる瞬間というのを本当に久しぶりに体感した。人が一人、辞めることになっただけの話。でもそれを聞いた時に、頭で理解するよりも先に体の力が抜けた。寒い日に自販機で温かい飲み物を買う時も、鳥の姿を眺めることでも追いつかないような深さの安堵だったと思う。認めるとやっていけないから半ば意地になって蓋をしてきただけで、それがどれだけ今まで心の重荷になっていたのかを、体の反応で知った。体はとても正直だ。