仕事と心のDiary

デトックスのための文章

everything i wanted

今週は集中しようと思っても何も頭に入ってこなくなった日があり、いつもならもう少し残業する所だが仕事を早めに切り上げてしまった。もう何もしたくなかった。机の上に飾っているポトスに目をやると、前の日よりもさらに茎が伸び、葉も大きくなっている気がして、この部屋のどこにそんな精気があるのか、もしかして私の精気がそちらに回っているんじゃないのか? と感じた。

 

翌日は、目覚めたら午前10時を回っていた。窓の外がほの暗く、空気は湿っていて、洞穴の中にいるような心持ちだった。それまで見ていた夢は、思い出せないまま砂時計のように記憶の外に落ちてしまった。ただなぜか、強烈な懐かしさだけが余韻として残っていた。そのいたたまれなさを胸に、しばらくベッドの上で丸まっていた。

 

何かをどこかで間違えたような、もう取り返しのつかないような得体のしれない罪悪感を抱えながら、北の部屋でビリー・アイリッシュの『everything i wanted』を弾いた。初めてMVを観た時の衝撃が大きかった曲だ。外は雲行きが怪しく、近所の人がベランダの物を慌ただしく中にしまっている音がした。

 

youtu.be

 

夜は髪を洗った後、ドライヤーで乾かすことの必要性を考えはじめていた。「髪が傷むから、洗った後はすぐ乾かした方がいい」というのを妄信的に今まで採用していたが、それって本当なのか。実際は、洗った後すぐに無理矢理乾かすからこそ、髪が広がったり傷んだりするんじゃないのか?

 

…つまり、ただ「髪を乾かすのが面倒くさいから自然のままでいたい」自分を100%肯定してくれる言葉を求めていただけなのだが、昔買った『HOW TO BE PARISIAN』(早川書房)という本の中に、見事にその言葉を見つけることができたのだった。

 

髪はドライヤーで乾かさない(ドライヤーなんて捨ててしまってもいいくらい)。夏は自然乾燥、冬はタオルドライというエコな方法で。

 

湿ったままの髪で寝ると、朝には自然の動きができ、これが意外と悪くない。

 

極めつけは、

夏は、「海水」と「太陽」という二つの要素が髪に良い影響を与えてくれる。少しザラッとした手触りに、少しだけ塩気を含んだ髪。太陽を浴びてトーンもやや明るくなり、気持ちまで明るくなってくる。

という、日本とは真逆かつ、恐ろしくプラス思考な表現を見つけた。常にあるがまま、自然体を大切にするフランスの言葉。それに背中を押されて中途半端に濡れたまま眠ってしまったが、翌日しっとりしていた。しおれた夏の日の自分に採用決まり。